ADHDは個性です
パンプキン 54歳 女 パート社員
娘は小さい時から、とても育てにくい子供でした。私のいう事を聞いてくれないので、毎日毎日怒ってばかりいました。遊びに連れて行っても、ほかのお友達と仲良く遊べない、必ず何かトラブルを起こす、出かけるのもストレスでした。他の兄弟とも全く違う行動をするので「○○なんてお母さんの子供じゃない!」とひどい事も言いました。
娘が小学生低学年のころ、たまたま近くで「ADHD」の講演会があり参加しました。講演をしていたのは小児科のお医者さんでしたが、娘のことをずっとどこかで見ていたの?と思うくらい娘の行動と症状がぴったり当てはまりとても驚きました。その時お医者さんは「ADHDは病気でなく個性です。本人と周りの人が困ったら診断名をつけてきちんと治療した方がいい」と仰りました。でもその時、病院に連れて行こうとは思いませんでした。私の中で娘を病気にしたくないという気持ちがあったからだと思います。
1年ほど経って娘から「生まれ変わりたい」という手紙をもらってショックを受けました。どうやら学校で中傷されるような言葉を言われているようでした。「このままではいけない」そう思って病院へ行きました。いろいろな検査を受け、注意力欠陥のADHDと診断されました。お医者さんに「○○ちゃんはわざとではなかったんだよ。お母さんの育て方が悪かったわけでなかったんだよ。」と言われ号泣してしまいました。病院の帰り道、娘に「今まで怒ってばかりでごめんね」と謝りました。
それからは、お薬も処方してもらい治療を始めましたが、何より主治医の先生に「○○ちゃんはできるんだよ!」と言い続けてもらうことで、生活を落ち着いてできるようになり、成績がどんどん伸び、自信がついていきました。自信がつくと仲良しのお友達もできて学校生活も楽しめるようになりました。
今現在は、小さい頃からの夢であった職業に就いて仕事が楽しいと言って、毎日頑張って生活しております。ADHDは個性なので、相変わらず人とは違う感性を持っています。職場の方にも「変わってるね」と言われるそうです。
部屋は散らかり放題なのに、この本はこの場所になければ気が済まないとか、この時間には必ず○○をしなければならないとか、私から見ると不思議なことがいっぱいです。
でもその不思議なことを認めてあげて笑えるようになりました。
あの時病院へ連れて行かなければ娘はどうなっていたのだろう?多分娘よりも、私が耐えられない状況になっていただろうと思います。病院で治療してもらって一番良かったのは、娘ではなく私だったのではないかと思います。
うちの子は何か他の子と違うのでは?と悩んでいる親御さんがいらっしったら、今はいろいろな機関があります。ぜひ専門の方に相談してみてください。お母さんが自分のことを認めてくれたと感じたら、子供は自信をもってのびのびと育ってくれると思います。
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