ADHDを克服するとはどういうことか

ADHDをはじめとした発達障害は、治りにくく、完治しない障害だということは、ADHDの方本人や、身近な方々なら、ある程度はわかっているかと思います。

しかし、完治と言える状態は難しいとはいえ、ADHDを克服して、普通の生活を送っている方々も少なくありません。

ADHDを克服して、通常の生活を送ることができれば、「治った」という状態に近いのではないでしょうか。

ここでは、ADHDの克服について考えていきましょう。

ADHDの方々は、障害の症状から周りに怒られたり、避けられたりということが頻繁に起きてしまいます。そのため、自分に自信をなくしてしまって、二次障害として鬱などといった精神的な病気にかかってしまうこともあります。

また、そういった人間関係上の問題だけでなくても、例えば先延ばし傾向が邪魔をして、仕事で納期を守れないといったようなことを頻繁にやってしまうのです。

それでは、社会での信頼も築けません。

つまり、ADHDの症状は相変わらずあったとしても、このような問題が起きるのを極力減らし、社会生活でほぼ問題なく活動することができるようになれば、「克服」ということになるでしょう。

ADHDを克服するためには、それぞれの症状に合わせた訓練が必要になります。時間を守るのが苦手ということなら、時間の感覚をつかむために常にアラームを使ったりというようなことも有効です。

また、気の合う友人や同僚と楽しく過ごすことも、結果的に自信の回復につながり、人間関係での問題を克服できるでしょう。

もしも、精神的な病気も併発していたということなら、そっちが治ってしまえば、かなり「克服した」と自分で思えるかもしれません。

例えつまづくことがあっても、ADHDを明るく前向きに捉えることができていれば、ADHDを克服しているのではないでしょうか。