ADHDは治るものなのか

ADHDをはじめとした発達障害は生まれつきの脳の機能障害であり、治るのは難しいとされています。治らないのに、治療をするのは不自然だと思うかもしれません。ADHDそのものは治ることはなくても、うまくつきあって、日常生活にほとんど支障がないような形にはできるのです。

ここでは、ADHDが治るかどうかについて考えていきましょう。

ADHDを子供のころに発見できていれば、大人になるまでにそれだけ長い期間治療を行うことができますから、治療のおかげ、またADHDという障害への本人とご家族の理解の深まりによって、社会に出てもそれほど問題行動を起こさないほどまでになることができます。

これは、ADHDが治っているわけではなく、ADHDの症状による問題行動について、薬や指導によって対策ができている状態なのです。自分の症状についてよく解っているからこそ、どうすればいいかを知っているということです。

薬で抑えられているところなら、薬の効果が切れればやはりどうしても出てきてしまいますし、対策を解っているから問題にならないだけで、対策をしなければやはり健常者の方々とは違う行動をしてしまいます。

問題行動についての対策が習慣化されていれば、意識せずとも出来るようになるので、それは限りなく「治っている」状態に近いものだと言えるでしょう。

子供の頃から治療ができている場合の話をすると、大人になってから発覚した場合は、治っているような状態にもっていくのが難しいと思われるかもしれません。

しかし、そういったことはなく、大人であっても服薬と行動の習慣化で日常生活において問題がないように行動することは可能です。

そのためには、ご家族などの周囲の方々のサポートと本人の理解も必要になります。

行動を習慣化するまでには時間が必要でしょう。しかし、治療を続けていくことで、必ずADHDの症状が大きな問題にならない状態にすることはできるので、根気よく治療を続けていきましょう。