ADHDは、恥ずかしいことではない!
ニックネーム:たえ 年齢:31歳 性別:男性 職業:会社員
私は3年前に、自分がADHDであることを知りました。
主な症状としては注意欠陥障害で、忘れ物が多かったり計画的に行動するのが苦手だったりします。或いは少しでも気を抜くと不用意な発言をしてしまい、そのせいでこれまでに何人かの友人も失いました。何の悪気もなく奔放な発言をしていた時期もありますので、それを考えると今は随分と慎重になれた方だと思います。
そしてこの影響でまず困っているのが、家事が上手にできないことです。料理を作るにしても順序立てて動くことが難しく、どの調味料をどの順番でというのが簡単にできません。時間配分も下手なため1つの家事で1時間超潰すことがあり、気が付くと見たかったテレビを見逃したり友人との約束に遅刻することも未だあります。ですから日頃からタイマーを持ち歩くようにし、少なくとも時間の約束だけは絶対に守れるよう準備するようになりました。
こうした状態ですから、会社でもまともな勤務ができる日の方が少ないです。数日に1回は会議に必要な書類を忘れてしまったり、上司にはしなくていい進言をしてしまったりします。しかし信頼している会社の仲間にはADHDのことを話しているので、さりげなくサポートをしてくれる人がいるのは有難いです。
少し前からは、忘れ物をしたり時間を無駄にすることを少なくするために、付箋にメモをするようになりました。おかげで私の会社のデスクには、大量の付箋が常に貼られています。とはいえ一定の時間毎に付箋を逐一チェックすることで、致命的なミスというのはしなくなってきているのです。加えてさすがに会社ではタイマーを使えないため、携帯電話のアラームを設定し、バイブレーションにて時間のコントロールができるよう努めています。
治療については、行動認知療法を採用しました。薬物での治療はお金が継続的に掛かり、とても気軽に手を出せるものではありません。そこでまずは自分がADHDであることを認識し、それと同時にADHDとは何なのかを勉強しました。するとこれまで重ねてきた自分の失敗の大半が、ADHDによるものだと判ったのです。過去には自分の性格のせいにして自己嫌悪に陥ることが多かったので、正直なところADHDだと診断されたときには安心していたように思います。
その後はまず失敗を恐れないこと、失敗をしたらしっかりそれを自分で認知して、再度してしまわないよう環境整備をすることを心掛けました。これでも壁を感じることは多いですし、簡単に改善はできないのだと痛いくらいに感じています。その代わりADHDについて勉強してからは自分との向き合い方が変わり、更には信頼できる人にも告白したことで気持ちがとても救われたのです。まだまだ途上ではありますが、少しずつ良くなっている部分もあるため今後も頑張っていきます。
当然、現段階で抱えている将来への不安は大きいです。今の状態では出世も厳しく、生活水準は良くても横ばいでしょう。恋人を作るのも怖い状態なので、結婚は夢のまた夢かもしれません。ただADHDを抱えながらも幸せな暮らしを送っている人は大勢いるとのことで、そうした人の存在を支えに前を向きたいです。今はとにかく、遠い先のことは考えていません。今ある生活を壊さないよう、大切に過ごしていくことを目標にしています。
最後に、私と同じような悩みを抱えている皆さん、若しくはADHDの疑いがある皆さんに対して伝えたいことは1つだけです。ADHDは、決して恥ずかしかったり情けなかったりすることではありません。誰のせいでもないですし、それも含めての自分自身なのです。ですからどうか、ポジティブな思考を持って付き合っていってください。
可能ならば、話せる人にはADHDのことを話しましょう。家族や友人、恋人など、寧ろ事前に話していた方がメリットになることもあります。例えば遅刻をしたり心ないことを言ってしまった際にも、ある程度ADHDへの理解が進んでいる相手なら受け止めてくれます。その許容に甘えてしまってはいけないのですが、失敗を許してくれる存在がいるだけでADHDの治療はしやすくなるのです。私も一生懸命に向き合っていきますので、一緒に頑張りましょうね。
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