ADHDの子供には環境を整えて
プロフィール： Aさん、37才女性、主婦
教育関係の仕事についているときにADHDの子どもと出会いました。
当日5才のその子は、好奇心旺盛以上に旺盛でした。『さわらないでね』と伝えたものは必ず触ってしまいます。『危ないから、立たないでね』と伝えると立ってみようとします。こればADHDの特徴なので、『ダメ』も『しないで』も通用しません。
その子が悪いわけでもなく、親のしつけができていないわけでもありません。ですので、私たちがしなければならないのは、その子を注意する事よりも、まずはその子に合った環境づくりです。危険な物は手の届くところに置かないようにし、登って遊びそうな台は置いたままにしておかないようにしました。
その子の行動を先先読んでいくようにしました。
しかし、なんでもかんでも禁止にしてしまうのではなく、危険な物にもふれていく時間も必要です。危険といっても、使い方を間違えると危険なだけで、正しく使うと便利道具です。ハサミを使った制作時間なども適度に組み込んでいき、正しく使っていくようにしました。台も、お店に見立てたり、イスに見立てたり、舞台に見立てたりしながら、遊びにうまく取り入れられるような工夫もしました。
ADHDの特徴を理解し、関わることで、その子自身も方法を見つけていくことができます。ADHDの子どもは面白そうと感じることにはすぐに手がでて行動に移していきます。その先にある危険を考える前に行動してしまいます。
私たちは常に誰かがそばで見守って援助するようにしていました。
すぐにADHDがなくなるというわけでもないので根気強く関わっていかなければなりません。
その5才の子は年々ひどくなっていっていました。きっともうすぐピークを迎えるのかもしれません。もしかすると、ピークはまだまだ先かもしれません。しかし、あきらめずにとことん付き合って、寄り添って、子ども自身が自分で気持ちをコントロールできるまで周りが協力していくべきだと私は思っています。
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