現在、ADHDで通院中及び人生立て直し中
プロフィール: よいちろさん、35才男性、アルバイト(自営業?)
今から1年前にADHDの診断を受けました。
きっかけは去年3月にある仕事で失敗し、会社に損害を与えたことで懲戒免職になったことです。
中学生くらいの頃から、自分でケアレスミスが多いと自覚するようになり、高校に入ってからは、周りが自分の理解できない前提で色々と話しをしている、という違和感をずっと抱いていました。しかしそれで特に人間関係や試験などで大きな失敗はありませんでした。そういった意味では運が良かったかもしれませんが、この歳になるまで、ADHDだと分かっていなかったのは不運だと思っています。
ADHDといっても、これはかなり個人差がある障害です。
私の場合は「不注意優勢型」と言われるタイプで、字の書き間違いが多かったり、人の話を聞いてる最中に突然言葉がただの音のように聞こえ、意味が理解できなくなったりします。
さらに軽いアスペルガー症もあるそうで、他人のことを理解できないばかりか、自分が今抱いている感情を即時に把握するのも苦手で、数日経ってから「あの時私は怒っていたんだ」、「あれで傷ついていたんだな」と理解することが多いです。
また、大声で話されたり、乱暴な言葉づかいなどを聞くと、それが自分に向けられているわけではないにも関わらず、頭が空っぽな状態になってしまいます。
私が通っている病院の先生の話では、ADHD患者はこのように様々な障害を抱えていることが多く、そこから発生する二次的症状が深刻である場合が多いそうです。
さて、まずは私がADHDの診断を受けるに至った失敗までの話をします。
私が以前勤めていた会社は中学時代の友人に誘われて、10年ほど前に設立した会社で、そこで私は、営業、経理、ネット販売の受注、梱包、発送、メルマガ配信など今思えば、自分でも馬鹿かと思うほど仕事を抱えていました。
誘ってくれた友人が優秀で私以上に仕事を抱えていましたが、しっかりこなしているのをそばで見ていると、その時抱えていた仕事は最低限やって当たり前だと思っていましたし、また友人もそのように考えていたので、その当時は特に何も思っていませんでした。
しかし、なかなか自分の思うような結果を出せず、だんだんと鬱になり、自分は何をやってもダメだ、自分にはこの会社で貢献できることなど何一つ無いと思うようになり、眠りが浅く、ちょっとした物音で目が覚めるようになり、常に倦怠感に包まれていました。
そんな中、新しい仕事が入ります。
かなりお固い所からのお仕事で、発注書には細かく注文が書かれていました。
また、納品の際の条件も多く、それを理解するのに必死でした。
何度も発注書を確認し、品物を揃え、いざ納品となったときに、問題が発覚しました。
お客様から「こちらの指定した型番と違う」と指摘が入ったのです。
結局、それが原因で注文は取り消し、こちらは既に品物を発注していたのでキャンセル料やそれまでにかかった送料などを私の会社が負担することになりました。
このことを聞いた友人は、もちろん激怒し「この損害は落とし前をつけてもらう。その後はもう来なくていい」と言われました。その後に言われたことは未だはっきり思い出せます。
「今まで俺は君に対して改善点を示してきた。君は口ばかりでやるやるというくせに、ちっとも直らなかった。俺のことを馬鹿にしているんだろう。自分で直す気もないんだろ?俺もお人好しだよな、10年間付き合ってやったんだから。」
この後のことは、あまり思い出せません。淡々と退職手続きをとり、貯金をはたいて損害分を支払いました。
この頃は、外に出るだけでも震えが止まらず、家族とすら接するのも億劫で、どうすれば、迷惑をかけずに死ねるのかという考えが頭を離れず、自分から行動を起こすのは非常にエネルギーが必要でした。
その一方で、このままで居るわけにはいかないという思いもあり、それから間もなく不眠と鬱的症状が原因で精神科に通うことになりました。
精神科では、最初は不安障害やパニック障害と診断され、それに対する薬を処方してもらっていましたが、一向に改善すること無く、数ヶ月が経ちました。
ある日突然、医者から「この問診を受けて欲しい。時間はいくらかかっても構わないからゆっくり丁寧にお願いします。」といわれ、問診票に記入していきました。その結果、判明したのが、不注意優勢型のADHDということです。
ここまでが、私がADHDだと診断されるに至った経緯です。
それからは眠剤とストラテラを処方され経過を見ようということになりました。
ストラテラを飲むようになってから、不安障害やパニック障害はどんどんと改善されていき、自分と向き合えるようになっていきました。
私が持っている「不注意」という障害は今でも改善されることはありませんが、以前は意識しなかった「自分の障害」について自覚できるようになったのはかなり大きなことだと思うのです。
それまでの私は、例えは悪いかもしれませんが、片足がないのにそれを自覚せず、両足で歩こうと無理をしていたんです。
具体的な例を言いますと、他人と話をしている時、言葉が理解できなくなると焦ってしまい、前後の流れから何を言っていたのか推測して、無理矢理に話を理解しようとしていました。それで誤解することも多かったと思いますし、そもそも、私の場合は感情的な理解が遅いので、その場で誤魔化していたことも多かったように思います。
今は自分の障害を家族や勤め先に自分の障害について話していることもあり、言葉が理解できなくなっても焦らずに、素直に「ごめん、もう一度言ってくれない?」などと聞けるようになっていますし、聞き間違えてるかも知れない時は、「確認しますけど……」と言えるようになりました。
無理をしなくなった結果、様々なことに興味を持ち始め、半年前から新たな趣味を始めたり、行動が活発になってきました。
また、自分に合った仕事方法を探した結果、「クラウドソーシング」というものを知り、現在、アルバイトの傍ら、この方法でどうにかやっていくことは出来ないかと模索中です。
私はADHDである事自体、悪い事とは思っていません。それはしょうがないです。
自分ではどうしようもないですし、誰が悪いわけでもないですから。
問題なのは、ADHDであることにとらわれ過ぎることだと思っています。
周囲へ理解を求めることも必要ですが、自分で補う努力、もより大事です。
足が無くても義足があります。松葉杖があります。車椅子があります。
同じように必ず自分に合った方法でADHDを補うことができます。
私はスケジュール管理にはスマートフォンのアプリを使っていますし、収納場所にはわかりやすいようにシールを貼る、中身が見えるような透明ケースを使うということをしています。
いかに自分が困らずに生活できるのか、を確立していくことで今の安定があると思っています。
同じような経験をされた方への何かしらの参考になれば幸いです。
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