海外でのADHD体験談とそこから学ぶもの
プロフィール: CKさん、48歳女性、子供英会話教室経営
日本でADHDの例はそれほど一般的でない印象を受けていましたが、当時4年生だった娘が同じクラスのK君の行動について話した時、すぐ彼がADHDであると直感しました。
K君は国語や算数の時間に、自分の嫌いなあるいは理解できない授業内容になると極めて不機嫌になり、授業中顔を机に伏せていました。不機嫌な時はよく暴れだし、止めようとするクラスメートを引っかいたり、たたいたり、蹴ったりします。実際私の娘も掃除の時間にほうきの柄でたたかれて怪我をしました。
体育のバスケットボールの授業ではチームメイトからパスをしてもらえなかったことに腹を立て、自分のチームの不利になるようにボールを抱えて逃げました。また、極些細なことで担任教師に殴りかかる事件もありました。多少の学習支援は受けていますが、効果的に機能しているようには思えません。ご両親はごく普通で、家庭で子供に極度のストレスを持たせるような要因は感じられませんし、Kくんの弟はそのような衝動的な暴力傾向は全くみられません。
さて、ADHDは何とか対処できるものなのでしょうか?
私がADHDの人々に初めて出会ったのはオーストラリアでのことです。某専門学校のホスピタリティー学科で日本語を教えていた時、その生徒の多数がADHDで薬物治療を受けていることを知りました。その生徒たちは優秀とは言えませんが、授業態度も決して悪くなく、集中して授業を受けていました。
授業中に活発に質問したり発言したり、コミュニケーションにおいて一切問題はなく、授業に支障を起こしたことは一切ありませんでした。ホテルやレストランでの研修や実習でも十分に活躍していました。
オーストラリアでADHDの学生が日常生活、学習にうまく順応できる理由は二つ考えられます。
まず、現地では、ADHDは極一般的に認識され、それに対する対処も世間でよく理解されているようで、ごく普通に薬物治療や心理的治療が実践されているように感じました。エジソン、リンカーン、アガサ・クリスティー、ロビン・ウイリアムスなどADHDと考えられる有名人や天才も多いだけに、海外でのADHD受け止め方は必ずしも否定的ではないのかもしれません。
第二に私の経験から海外の教育法はごく実践的で、生徒が主役となり、教師はむしろ授業の進行役となって授業がすすめられ、単なる受け身の学習活動が少ないので、その点でADHDの生徒に適した学習環境なのかもしれません。また、中学や高等学校から個人の適性を重視し、多様な分野から専門を選択できる点でも好都合だといえるでしょう。
もし、自分がADHDであれば海外留学によって可能性を追求したかもしれませんが、日本でADHDの障害を乗り越えていくのは決して不可能ではないと考えます。海外での成功例を参考に、自分の興味や得意分野に適した学習環境を探すかもしれません。
発達障害と言われているADHDの多動性をエネルギーに、突発性を創造力や独創性、衝動性を実行力や行動力にして、生活やキャリアで優位や長所に変えていけるのではないでしょうか。
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