ADHD患者として生きるという事
プロフィール: 最中さん、24歳女性、無職
私がADHDと診断されたのは、23歳の時の事でした。
大学生の時分から薄々「自分は発達障害に分類されるのだろう」という予感はあったので、病院で診断を受けた時は「ああ、やっぱり」と安心さえしました。そういった点においては、家族や友人の方に驚かれてしまうくらいです。
自分自身が今述べたような調子なので、自分がADHDである事に対しては特に悲観してはいません。ですが、やはり脳の発達の特性上物忘れが多かったり集中する事が苦手であるため、日常生活でもメモが欠かせません。
加えて、絶え間なくあれやこれやと思考が散らばったり二三の事を並行して考えているためか、言葉にするのが追い付かず吃音という二次障害が起こっています。
また、じっとしている事が苦手です。
以上のような症状もあり、私は人の様子を見る事は得意でも、人と接する事が苦手です。
衝動性が強いために人の言葉を遮ってしまう事も多々ありますし、教えられた事をすぐ忘れてしまいます。メモを取って対処しようにも、イレギュラーな物事が発生してしまうとパニックになってしまうため大して意味は無いのです。
そのため、結果的に周囲の人を苛立たせてしまいます。おまけに、なまじ人の態度や言葉遣い、そして日頃の様子からその人の起源や考えが想像出来てしまうだけに、今度は自分の中で作り上げたその人の幻影に追い詰められてパニックが悪化します。
パニックに陥っている時は呼吸さえうまく出来ず、胸の辺りから指先までが強張り、顔が赤くなります。そうなってしまうと、もう何事には手が付けられなくなってしまいます。
学校に通っている頃は出来る限り一人で学業に取り組んでいたため、対人関係におけるトラブルは大してありませんでした。反対に、就職してからは否が応でも人と関わらなければいけない上、必ずしも仕事を教えてもらえるわけでもなかったため、常時プチパニックを起こしているような状態でした。
そんな体たらくなので、「職場に馴染めないから」といった理由で解雇にされた事もあります。
私は今月に一回のペースでカウンセリングに通っています。当初はストラテラを服用しており、事実集中力が上がり雑念が取り払われたかのように思えましたが、慣れてくると逆にマイナス思考の方に偏ってしまうようになりました。
ですので、今は飲んでいません。
代わりに、物事に対しては別のアイデアが浮かんでもまず最初に取り組んだ事をやり遂げるようにしたり、メモを取るようにしています。そうすると、自分がしたい事が整理され、別の案が浮かんでもバランスよく予定に取り組めるようになりました。
今後の生活に関しては、はっきり言ってしまえば不安だらけです。
何せ、新しい就職先を探そうにも、自分の欠点であるコミュニケーション能力は今や働く上での必須項目にされています。
障碍者のための雇用制度があるとは言いますが、収入面では一般の就職のそれには及びません。ですが、弱音ばかりでは生きていけません。
幸いハローワークでは理解のある方が担当になってくれているため、今後はカウンセラーの方も交えながら自分に合った仕事を探していきます。
ADHDは決して最近生まれた病気ではありません。大人のADHDなどと問題視されているように、昔からあったものが表面化しただけに過ぎないのです。
だからこそ、「自分はだめなんだ」と思い詰め、自信を無くしてしまう前に病院に行ってください。心無い言葉もありますが、それは発言したその人があなた達よりも人を思いやる心に欠けているだけなのです。
私見ですが、ADHDの人達は普通の人達よりも人に対して優しく、思いやりがあります。だからこそ、障害と共に生き、周囲に負けない強さを手に入れるための治療が必要なのです。
私自身、23年目にしてやっと治療が始まりました。
少しずつ、一緒に生きていきましょう。私達だけ苦しまなければならない道理など無いのですから。
スポンサーリンク
関連ページ
- ADHDをカミングアウトしてもらったことで打ち解けました
- 去年、大人の発達障害といわれました
- 知人の子供さんが多動性障害です
- ADHDの子供はみんなで育てる
- ADHDと診断されて
- ADHDと付き合う
- 普通にしてるんですけど普通じゃないの?
- 海外でのADHD体験談とそこから学ぶもの
- ADHDの子供には環境を整えて
- 私もADHDで悩んでいた事があるのでお伝えします
- 素敵な個性を持っているADHDの弟
- 弱めのADHD(多動性障害)の生活
- 現在、ADHDで通院中及び人生立て直し中
- ADHDで悩む人へアドバイス
- ADHDで社会に適合できるか否か
- ADHDは自覚がないと苦しむのでまず病院に行って病気であると診断してもらうのが最初の治療
- ADHDは子供の事を認めて褒めてあげることが一番の薬になる
- ADHDと上手く付き合うには
- 『ADHD教室』への通級
- 注意欠陥多動性障害について〜同級生のこと〜
- 良いところを伸ばしてADHDの後輩とよりよく付き合う
- ADHDの夫との仕方のない離婚
- ADHDかもしれない
- 自分と周囲が正しく自覚することが大切です
- 「整理整頓ができない」「落ち着きがない」ことへの手立て
- ADHDとうまく向き合いたい!
- 最愛の我が子に出来ること
- 周囲の理解が大切です
- 大人になってADHDと診断された従兄弟の生活について
- ADHDの夫と結婚して
- 兄のADHDを通して感じたこと
- ADHDの子どもを教えて分かったこと
- 違うタイプのADHD
- 私の甥っ子がADHDと診断されています
- ママ友が数人悩んでます
- ADHDの苦悩を身近に感じて
- ADHDは個性です
- 40歳のADHDの患者の現状
- ADHDで辛いのは不注意が多いこと
- 大人の発達障害+ADHDの人
- ニコニコして感じの良い方だったんですが
- 問題行動がなかった
- 息子が集中力がなくて困った
- 未成年のADHDの方の勉学、成績について
- 私のADHDについて
- ADHDの同僚との付き合いかた
- もううんざり、ADHDの上司
- 職場にいるADHDの人について
- ADHDで子育て奮闘中
- 看護師という職業に就く人にとってどうなのか、悩むところです
- ADHDのクラスメイト
- 学業に集中出来ず辛かった大学時代
- ADHDの持ち主です
- 娘が言うこと聞かない
- 同僚がADHD
- 友人がADHDのために社会人生活が苦しい
- 個性だと気づいてから姉も家族もハッピーに
- 笑えば可笑しい
- ADHDにおける日常生活
- 中学生になると手を焼いた
- ADHDでも工夫して生きる
- ADHDについて、私が思うこと
- 普通だと思っていたことが
- ADHDは、恥ずかしいことではない!
- 大人になり診断をされたADHDの友達
- 子供の頃から忘れ物やうっかりミスが多く、大人になった今でも苦労しています
- ADHDでも部署を変えると生き生きしている
- 重要な仕事は任されない
- ADHDのお子さんと接していた経験があります
- ADHDと診断されているお友達と息子との関係
- 落ち着きがなく忘れ物が多いADHDの娘がいます
- 上司がADHDでしたが支障はなかった
- ADHDの私と仕事と恋愛と